あなたは、会社に入ってから今までに先輩や上司から1度や2度は「ロジカルシンキングを身につけておくと良い」などと言われたことがあるでしょう?あるいは自分で「ロジカルシンキングを習得しておきたい」と思ったことがあるかもしれません。

もし、あなたが、まだ「ロジカルシンキング」(論理的思考)を学んでいないとしたら、そろそろ身につけておかなくては具合が悪いかなと感じているのではありませんか。

このページでは、ちょうどあなたのような「ロジカルシンキング」の初心者に役に立てればと考え、わかりやすい入門書も紹介して参ります。少なくとも基本的な事柄に加えて例題から学べる本、ないしは方法です。

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1.どんな人がロジカルシンキング初心者?

自国市場が飽和した日本のような先進国の企業では、大分前から、顧客にとっての新たな価値創造・新しい知識創造の時代に入ったことは十分認識されています。しかしながら、伝統的な企業およびその内部組織の多くは先が見えない状況に陥ったまま、試行錯誤の状況が続いています。

そのような状況の中で、ゼロベースから価値ある事業を創造する、あるいは新たな課題を掲げて取り組む必要に迫られた先輩や上司もどうしたら良いか苦悩しているというのが実態です。彼らもゼロベースから考えることが可能となる「ロジカルシンキング」を、もっと若い時にしっかりマスターしておけば良かったと後悔していることが想像できますね。

多くの人の場合、学生時代に「ロジカルシンキング」の例題に取り組むとか、入門書を読んで学ぶといった機会など滅多にありませんから、本来は社会人になった時が初心者ということになります。ですから、初心者の頃、ちょうど入社2,3年くらいの間に、何とかしておかなくてはならないわけです。

しかし、実際のところ、公募型のロジカルシンキング研修を実施してみると自発的に参加して来る人は、入社4,5年~10年程度という人が多く、中には入社10年以上の役職者も結構いるというのが実態です。

何故、そういうことになってしまうのでしょうか。

入社2,3年程度の人の場合には、仕事の上で、幾つもの解決すべき課題に直面していないので、どうにかして解決する必要があるといった現実的な問題意識や体験が乏しいという事情があります。そのために、必死にロジカルシンキング(論理的思考)力を身につける必要性について実感が持てていない期間があり、気づくのが遅れるのです。

つまり、大分前から気にしていたが、なかなかロジカルシンキングを学ぶ機会がなかったという人も含めて、これから学ぼうとする人は誰でも初心者だということですね。

2.いつまでもロジカルシンキングの初心者ではいられない!

入社2,3年の頃までは、まだ「わからないから教えて!」と言えるものですが、入社4,5年ともなると周囲に聞くことができなくなってしまうものです。仕事は忙しく、責任は重いという状況の中で、密かに「ロジカルシンキング」の勉強など、余程の努力をしない限り時間的にも難しく、全く身につける機会がなくなってしまいます。

「今更人に聞けない」と、慌てて研修に参加し、その時に初めて「目から鱗だった」と感じても、1日や2日の研修ではロジカルシンキングが「わかった」だけで、実務に使えるように「身についた」わけではありません。

「身につける」ためには、その後の継続的活用こそが欠かせないのですが、最初はどう使ったらよいのか試行錯誤状態が続きますので、大抵は仕事に戻れば日常業務に忙殺されて、その試練を乗り越えることができないものです。

その結果、仕事に忙殺される年齢になってしまうと、余程の決意を持ってロジカルシンキングの活用に取り組まない限り、遅かりしという結果に終わります。すると、ことは大変深刻で、放置すれば完全に置いて行かれることになります。

ですから、この際、あなたは何が何でも問題意識を持って「ロジカルシンキング」くらいは一通り理解して、最低でも一応は使えるようにしておかなくては困りますね。

3.例題で学べる本!わかりやすい入門書で基礎から!

では、「ロジカルシンキング」を身につけるにはどうしたら良いのでしょうか?

1)最も大事なことはロジカルシンキングの基礎から学ぶこと

必ず、基礎から学ぶことをお勧めします。つまり、帰納法、演繹法といった論理的思考の最も原点となる推論方法の正しい理解から出発する必要があります。

何故、基礎から学ぶことが大事なのかについてご説明しましょう。

実務で直面する課題は仕事によってさまざまであり、ロジカルシンキングという観点から見れば、どれもがロジカルシンキングの応用問題です。多くのロジカルシンキングの書籍には、いろいろなツールや典型的なビジネスフレームワークなどが紹介されていますが、普段の仕事で取組む実務課題の大半は、既存のツールやビジネスフレームワークをそのまま使えば済むようなものではありません。

多くの実務課題は、その都度、ゼロベースから対象をロジカルに捉え、ロジカルに考えて取り組む必要があります。現実の課題は応用問題ですから、ツールを覚えていても基礎が疎かでは使い物にならないのです。

例えば、課題解決に取り組む際にフレームワークを作成する必要があればその課題に適したフレームワークをゼロから作り上げて使うことになります。その際には、やはり、演繹法、帰納法による論理的思考がベースとなった、ロジックツリーを目的に合わせて正しく作成できなくては始まりません。

難しい課題に対してどうしたら良いのか、迷うことも多々ありますが、その際にもロジカルシンキング(論理的思考)の基礎をしっかりと習得していることが、強力に後押ししてくれることになります。

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2)ロジカルシンキングはどのような入門書で学べば良いか?

一般論として、「ロジカルシンキング」の本には論理学の学者が書いた本とコンサルタントが書いた本があります。しかし、残念ながら、すべてが満足できる入門書は見当たりません。2冊~3冊ほど読む必要があるとお考えいただきたいと思います。

論理学の学者が書いた本は基礎、それも演繹論理に重点が置かれ、とても深く詳しく書かれています。しかし、大抵の場合、ディベート論証分野ではとても強力ですが、それ以外の実務領域、例えばロジックツリーの作成を必要とする分野等には全くと言ってよいほど触れられていません。

一方、コンサルタントが書いた本は、多くの場合、基礎が疎かで、実践に主眼が置かれています。実践に重点が置かれている点は宜しいのですが、コンサルタントの経験と一般のビジネスパーソンの経験とは質的にも数量的にも比較になりませんので、次のような齟齬が生じてしまうのです。

コンサルタントであれば実務課題でも滅多に出くわさない場面を取り上げて、ロジカルシンキングを使って、難しい課題を見事に解決できた事例を例題化することも容易です。著者が提案しているユニークなツールをもっともらしく使った事例を作ることも、さほど頻度の高くない論理的な交渉事の成功例を一般化して紹介することも可能です。

しかし、実務課題はその都度異なりますので、ツールではなく“ロジカルシンキングの考え方”を活用する必要があるのです。従って、多くのビジネスパーソンは、必要に応じてコンサルタントの書いた本の一部分が使えれば良いと考えた方が宜しいと思います。その際にも基礎があれば自信が持てるはずです。

3)ロジカルシンキング入門に例題は必須!

初心者は社会人になって間もない場合が多く、自分が直面する目の前の課題を、ロジカルシンキングの対象として実感を持って捉えることが難しいものですから、その代り例題で学ぶことが理解を深めることになります。

目下、「ロジカルシンキング」入門書としては、少なくとも10冊以上あります。殆どの書籍は目を通しましたが、率直に申し上げてどの書籍も「帯に短し襷(たすき)に長し」という印象です。

4)ロジカルシンキングの例題が載っている入門書は?

敢えてお勧めする書籍は次の「MBAクリティカル・シンキング」あたりでしょう。

この本の1/3は、論理展開の基礎として割かれており、演繹論理と帰納論理についても比較的多くの例題を載せていますのでお勧めできます。ただ、特徴的に因果関係の見極めといった、問題解決における本質的原因の特定化などにおいて強力ではあるのですが、利用頻度はそれほど高くない分野にも大きなウェイトが置かれています。

一方、コンサルタントによる書籍として、ご多聞に漏れず、ロジカルシンキングの基礎となる演繹法、帰納法には殆ど触れていないのですが、次の書籍は基礎を除く全般を網羅しており、かつ比較的わかりやすくまとめられています。上記「MBAクリティカル・シンキング」の基礎部分を学習した後であれば、お勧めできます。

ロジカルシンキングの本には、例題が出題されている本が少ないのですが、この本は例題が載っている数少ない入門書の1つです。How to色の強い本だと思いますが、どれも役に立つ標準的ツールという感じです。

30の「勝負場面」で使いこなす「ロジカル・シンキングの道具箱」

4.わかりやすい例題や実務課題に取り組み続け、一過性に終わらせない!

研修を受講しても宜しいと思います。研修受講の一瞬はよほど感度の低い人でない限り、相当な刺激を受けます。しかし、たとえそうだとしても、ロジカルシンキング(論理的思考)は、例えばパソコン操作のような単なるスキルや記憶した知識ではなく、体験を通じて磨かれる思考レベルの特性能力ですから、継続してトレーニングしなければ、ほぼ確実に一過性に終わります。

そういう意味でも、良い本は捨てずに所有しておくことが必要でしょう。ただ、ここでおススメした本「MBAクリティカル・シンキング」は意外に高価ですので、古本があればそちらを購入するのも良いと思います。

手前みそになりますが、論理的思考の基礎については、費用負担なしで本サイトを活用して自習するのが最も賢明だと思います。演繹法と帰納法について、ロジカルシンキングを身に着けるための必要十分な情報を提供していますので、きっとお役に立てると自信を持ってお勧めします。

「ロジカルシンキング」の自習には半年間程度かけてじっくり取り組めば、段階的に理解が進み、一通りわかるようになることでしょう。

5.ロジカルシンキング初心者なら、いつ入門する?今でしょ!

ロジカルシンキングをゼロから始める初心者であれば、例題が載せられている、わかりやすい本を入手して、今すぐ基礎から入門しよう。

参考までに、「MBAクリティカル・シンキング」に載っている例題(典型的な帰納法・演繹法の応用問題)をご紹介しておきましょう。この例題は、ロジカルシンキング研修を実施した際に著者の許諾を得て、何度か活用させていただいた良問です。

試しに、10分くらい考えてみませんか。

練習問題
A氏の論理展開は、演繹的思考と帰納的思考の組み合わせで成り立っている。どこが演繹的でどこが帰納的だろうか。

A氏「アインシュタインが提唱した相対性理論は、いまでこそ広く支持されているけれども、当初は科学者からかなり強い反発があったはずだ」

B氏「どうして? アインシュタイン博士ほどの人が発表した理論なのに」

A氏「いくらアインシュタインとはいえ、相対性理論はそれまでの科学の常識を覆すものだったからね。科学者は意外に保守的で、まったく新しい理論には強硬に反対する傾向があるんだよ」

B氏「例えば?」

A氏「地動説や進化論。これらの理論に強硬に反発したのは、何も宗教家だけではなくて、古い考え方にしばられた科学者はかなり抵抗をしたんだよ。ウィルスが発見されたときもそうだ。そんな目に見えない、細胞以下の生物なんているかってね」

B氏「地動説は『コペルニクス的転回』と言うくらいだから、当時としては常識破りだったんだろうね。相対性理論も、同じように常識はずれのものだったのかなあ」

A氏「当時の科学では、運動する物体の時間が遅れたり、質量が増加したりなどということは、まったく考えもつかないことだからね。現代人ですら『光速の物体同士がすれ違うとき、一方から観察すればすれ違う速度は光速の2倍ではなく、光速のままだ』ということは理解しがたいよ」

わかりましたか?
演繹法や帰納法について、まだ勉強していない段階でしたら、わからなくても心配しなくて大丈夫ですよ。解答は書籍をご覧くださいね。(^_^)

今すぐ始めれば、あなたが自信を持てる日はそう遠くないと思いますよ。

まとめ

  • まだ「ロジカルシンキング(論理的思考)」を学んでいない人は誰でも初心者!
  • 社会人となって2,3年以内に一通りは学んでおかなければ、取り残される!
  • 初心者は例題から学べる本・わかりやすい入門書で基礎から始めよう!
  • 本サイトも無料で使える!
  • 手遅れにならないように今すぐ始めよう!

大事なことを根拠に触れながらお伝えしようとすると、どうしても長くなって、読むのに時間がかかる結果になってしまいましたね。

なお、今回、改めて既存のロジカルシンキング関連の書籍に目を通すことになりましたが、実に多くの書籍が出版されていることに気づきました。おすすめした書籍は入門書という意味で、ロジカルシンキングのほぼ全体をカバーしていることを前提として抽出しました。

従って、書籍の名称として「ロジカルシンキング」であっても、例えば“プレゼンテーション”、“ライティング”、“ディベート”など「ロジカルシンキング」の特定分野に絞った書籍は、たとえ優れた書籍であっても、「ロジカルシンキング」の入門書という範疇から除外致しました。

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