問題解決プロセスの基本的な枠組みを整理し、論理的思考力・創造思考力それに対人力といった能力の活用場面を理解し、論理的思考が問題解決に際して演じる役割について学びます。⇒第2章の目次
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第2章 問題解決の主役はロジカル・シンキングである
一部の事務およびルーチンワーク的な業務を除くと,ビジネスパーソンの多くは,課題設定,課題遂行,トラブル解析,戦略立案,提案・プレゼンテーション,交渉,議論,論文・レポート作成など,思考を必須とした業務に携わっている.そこでは,「問題解決」のために多くの時間が費やされているはずだ.
例えば,プレゼンテーションや議論,レポート作成などの業務は,広くは問題解決の一環として実施されているし,営業マンにとっては,販売不振の打開や売上数量の増大等は,重要な「問題解決」の対象となっている.実は,こうした「問題解決」に威力を発揮するのが「論理的思考(=ロジカル・シンキング)」である.
「論理的思考(=ロジカル・シンキング)」の能力を磨くことで,特定の状況に接した際に,ゼロベースから問題解決への展開を可能にすることができる.
本章では,そもそも「問題とは何か」をはじめ,問題解決プロセスの基本的な枠組みを整理する.同時に問題解決に関連して論理的思考力・創造思考力それに対人力といった能力について解説し,特に論理的思考が問題解決に際してどのような役割を演じるかについて学んで行く.
また,本章は問題解決プロセスを理解するためだけでなく,いわば「論理的思考」が活用される場面を予め全体感を持って想定しておくことで,論理的思考の応用部分に相当する「第3章~第5章」の理解を助けることを狙いとしている.従って,前章に引き続いて直接的に「論理的思考」を学ぶわけではないので,手触り感が持てないと感じる読者は第3章以降を先に読んでも差支えない.