就活に必要だと考えて、ロジカルシンキングや論理的思考といったことに関心を持って、このサイトを訪れたあなたは、きっと社会情勢にも通じている賢い人ですね。

社会人になる前の時点では、大抵の人は必要性が実感を持って認識できないのでロジカルシンキング(論理的思考)なんぞに関心を持たないものです。普通は、社会人になってから、先輩や上司から「ロジカルシンキング(論理的思考)を勉強しておくといいよ」などと言われて、初めて調べる気になる場合が多いのです。

きっと、あなたは就活と「ロジカルシンキング」(論理的思考)を結びつける何らかの情報をキャッチされたのでしょう。本などを見て、少し勉強しておきたいけれど、おすすめの本のランキングなどが見つけられるかもしれないと、ググってみたというところでしょうか。

確かに、現在、海外進出している日本企業ではグローバル展開が盛んで、国際舞台での交渉事などにおいて必須の「ロジカルシンキング」を重視していますから、就活と「ロジカルシンキング」は強い関係があると考えられます。

ただ、一般的には少なからず誤解?もあるようですので、このページでは、その誤解を解きながら、まさにあなたの期待に沿って“就活のためのロジカルシンキング”対策を考えて、お役に立てる情報を提供しようと思います。

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1.就活にはロジカルシンキングが必要というのは本当か?

近年、実質収入の減少傾向が続く、一般消費者にとっては決して好景気とは言えない状態ですね。ところが、その一方では、内部留保の豊富な多くの企業、特に先進的企業にとっては好景気で、深刻な人手不足と言われています。

こうした背景のもとで、できれば高収入を望む学生優位の「売り手市場」が続く中、企業の間では、優秀な人材の獲得競争が過熱しています。魅力ある人気企業には希望者が殺到しますので、希望の就職先を狙う学生にとっては、とても楽勝というわけには行かないようですね。

企業の方では、当然のことながら、優秀な人材を採用するために入社試験を実施して選抜します。一部の企業の就職試験においては、「ロジカルシンキング」の範囲に含まれる「フェルミ推定(Fermi estimate)」などという分野や論理パズル分野からも出題する例があるようです。

そこで、あなたはその入社試験=就職試験に備えるために“就活のためのロジカルシンキング”を勉強しておく必要に迫られていると想像しますが、もし、あなたが「フェルミ推定」などを含む「ロジカルシンキング」をイメージされているとしたら、それは誤解だと思います。

2.それって“就活のための”ロジカルシンキング?

ところで、「フェルミ推定」というのは、例えば、「日本中の電線を地中化したいが、どのくらいの費用がかかるか」といった推論問題で、実際に調査するのが難しいような、とらえどころのない量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算する推論法を指しています。イタリアの物理学者エンリコ・フェルミ(Enrico Fermi)が得意としていたことから、そう呼ばれています。

1)フェルミ推定は時間の無駄で効果なし

「フェルミ推定」に関しては、Googleが大変熱心で、専用アプリまで作成しており、一時期、採用試験で使っていたことで有名になりました。しかし、Googleは、採用時の選抜について分析したところ、全く効果がなかった・時間の無駄だったと結論づけています。ご参考⇒In Head-Hunting, Big Data May Not Be Such a Big Deal

主に外資系金融機関やコンサル企業では、いまだに就活の面接において、学生の論理的思考能力を測るために出題しているケースがあるようですが、今では殆どの企業が独自で「フェルミ推定」のような奇問を就職試験に使うことはないと考えられます。

勿論、入社試験をやめたわけではなく、ご承知のように、近年の多くの企業では新卒人材の採用に際しては、面接や就職試験を実施しています。その場合でも、大抵は自社で試験内容を作成しているわけではありませんね。

大半の企業では、例えばリクルート社のSPI(Synthetic Personality Inventory:学力検査と性格検査から構成される総合適性検査)といった一種の適性検査または類似の試験を実施して、その結果を採否の判断の参考にしていると考えられます。

2)就職希望先がどの試験を実施しているか調べるのが重要

面接試験はともかく、こうした適性検査が実際の採用判定に使われるかどうかは、企業の考え方によるでしょうが、他に特別な事情がなければ、より優秀な人材の方を選抜して採用すると考えるのが自然ですね。

つまり、希望の就職先に内定するには、面接と適性検査を突破しなければならないわけです。

ただ、注意しておきたいことがあります。すべての企業がリクルート社のSPIを活用しているわけではありません。SPI以外にもヒューマネージ社の「TG-WEB」とか日本エス・エッチ・エル社の「玉手箱」といった試験を活用している企業もあります。

ですので、あなたも自分が志望している企業がどんな試験を実施しているのか、自分が志望している業界ではどの試験の利用率が高いのかなど、予め、必ず調べてから、対策に移りましょうね。(肝心なところですから、ここで間違えないようにしましょう。)

希望先の企業がどの試験をどのような方法で行なっているのかを調べるための書籍もあるようですが、変更される場合もあると考えられますので、志望先に問い合わせるのがベストだと思います。

因みに、テスト方法は3通りあります。

  • テストセンター方式

指定された試験会場内で、パソコン受験する1度テストセンターを受験し「スコア」を受け取れば、複数の企業に提出できる、現在、主流の方式。

  • Webテスト方式

自宅や大学のパソコンで受験する方式。所定の時間内であれば、いつでも受験可能だが、替え玉受験が避けがたい。

  • ペーパーテスト方式

企業会場に出向き、所定用紙に解答する方式。不正が行われる恐れが少ない。

就職試験では圧倒的なシェアを占めているSPIは上記3つのどの方式にも対応しています。玉手箱およびTG-WeBはWebテストのみに対応しています。

なお、SPIを含む、他の玉手箱、TG-WEBなどのテストに関する概要については、SPIノートの会というサイトで調べることができます。

3)「非言語」系にロジカルシンキングの問題

ここからは、”就活のためのロジカルシンキング”として、SPIに焦点を当てて話を進めて参りますが、他の試験でも考え方は同じですから、必要に応じて参考サイトを調べるなりしていただきますようお願いします。

SPIの中には性格検査の他に言語(国語)・非言語(数学)・英語の3分野の能力検査が含まれ、「非言語=数学」系分野で出題される問題の中に、確かに“推論”や“集合”、“命題”といった論理的思考力の一部を診断できる検査項目があります。

これらの検査項目の存在が、一般論として「就活にはロジカルシンキングが必要だ」という認識に繋がっているのでしょう。言い替えれば、“就活のための”ロジカルシンキングに備えるということはSPI対策をしておくということに他なりません。

従って、ここでは、就活に向けて、SPIにおける「非言語」系分野の試験に備えるにはどのような本で、“ロジカルシンキング”を勉強すれば良いかについてしっかりと理解していただかなくては始まりません。

3.“就活のためのロジカルシンキング”向けSPI本ランキング!

そもそもSPI(総合適性検査)とはリクルートが40年ほど前に開始して、普及が進んだ中卒・高卒・大卒採用のための検査ですが、今では日本全国12,000社で活用され、年間190万人ほどが受験しているということですね。

SPIの「非言語」系問題には、

  • “推論”
  • “集合”
  • “場合の数”
  • “確率”
  • “損益算”
  • “速度算”
  • “表の読み取り”
  • “長文の読み取り計算”
  • “代金の清算”
  • “料金の割引”
  • “割合の計算”
  • “分割払い”
  • “整数の推理”
  • “命題”
  • “数列”

等様々な数学系の問題があります。

SPIの内容については、例えば、SPI無料学習サイトで、詳細に紹介・説明されていますのでご覧になると宜しいでしょう。

1)SPIの非言語系にあるロジカルシンキングの問題

それでは、SPIの「非言語=数学」系問題30問(40分)の中から、上記サイトに載せられている、典型的な例題2問を引用してご紹介しておきましょう。

まず、“推論”問題から選んだ(順位)に関する問題です。

問題(制限時間:1分30秒)

P、Q、R、S、Tの5人で徒競走をした。5人の順位について次のことが分かっている。
ⅰ)Rの順位は、Sより上である
ⅱ)Tの順位は、Rよりも上だが、1着ではなかった
ⅲ)Qの順位は、Pより上である
ⅳ)同着の順位の者はいない

(1)次のア、イ、ウの推論のうち、必ず正しいものはどれか。
ア Qは1着である
イ Sは5着である
ウ 2着はPまたはTである

以下より選択してください。
A アだけ
B イだけ
C ウだけ
D アとイの両方
E アとウの両方
F イとウの両方
G アとイとウのすべて
H 必ず正しい推論はない

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解答:E アとウの両方

順位を推論する問題は、想定できる順位のパターンを全て洗い出す。
下記のルールにしたがって、与えられた情報を図式化する。
「順位の高低関係のみ」を表現するときは、「[ 順位がより高い方 ] > [ 順位がより低い方 ]」と表す。

このルールにしたがって、問題文の情報を図式化する。
ⅰ)「Rの順位は、Sより上である」より、RとSの順位関係は、「R > S」・・・①
ⅱ)「Tの順位は、Rよりも上だが、1着ではなかった」より、TとRの順位関係は、「□ > T > R」・・・②
①、②より、「□ > T > R > S」・・・③
ⅲ)「Qの順位は、Pより上である」より、「Q > P」・・・④
③、④より、考えられる順位は、次の4通りである。

順位

1位 2位 3位 4位 5位
パターン1 Q P T R S
パターン2 Q T P R S
パターン3 Q T P R S
パターン4 Q T R S P

ここで、推論ア~ウについて考えると
表より、1着はQである。よって、ア「Qは1着である」は必ず正しい。
表より、5着はSかPである。よって、イ「Sは5着である」は正しいとは限らない。
表より、2着はPまたはTである。よって、ウ「2着はPまたはTである」は必ず正しい。
したがって、正しい推論はアとウの両方。

いかがでしたか。

2)SPI非言語系問題は決して侮れない

比較的易しい問題を抽出していますが、決して簡単ではなかったと思います。ロジカルシンキング分野には属さない、他の、例えば、“確率”とか“数列”、“料金の割引”といった数学の問題も同様に、決して簡単な問題ではありません。

次は“命題”問題から選んだ(対偶と三段論法)に関する問題です。

問題(制限時間:2分)

「肉が好きな人は、野菜が好きではない」「肉が好きではない人は、果物が好きではない」の2つが分かっているとき、次のアとイの真偽について正しく述べているものはどれか。
ア 野菜が好きな人は、果物が好きではない
イ 肉と野菜が両方とも好きな人もいる

以下より選択してください。
A アとイのどちらも必ず正しい
B アは必ず正しいが、イは正しいとは限らない
C アは必ず正しいが、イは必ず誤り
D アは正しいとは限らないが、イは必ず正しい
E アとイのどちらも正しいとは限らない
F アは正しいとは限らないが、イは必ず誤り
G アは必ず誤りだが、イは必ず正しい
H アは必ず誤りだが、イは正しいとは限らない

わかりましたか?

まさにロジカルシンキングの問題そのものですが、制限時間2分でこの問題を正しく解くというのは、馴れないと難しいと感じるのではないでしょうか。

解答:C アは必ず正しいが、イは必ず誤り

対偶と三段論法を組合せて解く問題である。
「肉が好きな人は、野菜が好きではない」の対偶は、「野菜が好きな人は、肉が好きではない」となる。
この対偶と、「肉が好きではない人は、果物が好きではない」の2つを三段論法を使って図式化すると、次のようになる。
したがって、「野菜が好きな人は、果物が好きではない」と言えるため、アは必ず正しい。
イは、問題文の命題「肉が好きな人は、野菜が好きではない」と矛盾する。よって、必ず誤り。
これらを満たす選択肢は C である。

このような、ややパズルのようにも感じられる問題が、40分間で30問出題されることになります。

3)“就活のためのロジカルシンキング”はSPI対策!

SPIは1問ごとに制限時間がありますので、正しく、かつ素早く解答しなければなりません。馴れておかないと制限時間内の解答は容易ではないことをおわかりいただけると思います。

これではっきりしたと思いますが、あなたにとって最も必要だと考えられることは、世の中で言うところのロジカルシンキングの本ではなく、SPIの過去問題あるいは対策問題が載っているSPI本で、多くの例題を解き、短時間で解答できるように解き方をマスターすることです。

4)SPI対策おすすめ本ランキングTOP3!

現在、お勧めできるSPI本のランキングTOP3は次の3冊です。

  • 易しいレベルで良い or 簡単なところから取り組みたい

もし、あなたが、「非言語」系では難しい問題は到底ダメだという場合には下記がおすすめです。

  • 中~上級水準の問題に取り組みたい

もしあなたが、「非言語」系の難しい問題でも、大抵の問題なら勉強すれば何とかなるという場合には下記がおすすめです。

  • 高度な問題にも挑戦して訓練しておきたい

下記は「史上最強」とある通り、本番水準の問題が網羅されており、まさに(超)実践問題集と言えます。これで、合格レベルに達するように訓練すれば自信が持てます。

自分に合ったSPI3の本を1冊購入して、苦手な例題を何度も解き、解き方に馴れてしまえば、クイズのようなものですから、類似の問題を解くことは可能になります。

なお、SPIで出題される問題は比較的普遍的な内容です。そのため、SPI3の本は最新のものでも、数年前のものでも構いません。

4.“就活のためのロジカルシンキング”はSPIサイトでも学べる!

就活ともなると、相当な真剣さで対策をするものだと思いますが、このIT時代ですから、もし、あなたが「わざわざ本を購入して・・・というのは無駄と思う」のでしたら、みんなのWebテストや前記のSPI無料学習サイトで勉強してはいかがでしょうか。Web受験にも馴れると思います。

また、SPIなどの「非言語」系問題はクイズのようなものと書きましたが、同じような感触の論理問題を載せているサイトがあります。⇒日向の窓辺

ここに紹介されている論理問題は、更にマニアックな論理クイズの色彩が濃くなりますが、シンプルな問題の割にはとても難しく、結構面白いかもしれません。ただ、普通の人には解くのに時間がかかる、マニア向けの論理問題ですので、面白いからと言って、忙しい人はのめり込まない方が宜しいと思います。

5.“就活のためのロジカルシンキング”は早めに開始!何度も繰り返す!

SPIの問題は、どれも短時間で解かなければならないので、同じような種類の問題を繰り返しトライして、反射的に解けるくらいになっておくことが大事です。

さあ、あなたのSPI対策をSPI本または参考サイトで、今すぐ始めましょう。本であれば自分の実力に相応しい限り、本来は1冊で充分ですが、易しすぎるという場合は水準を上げて多くても上記2冊の本で充分でしょう。ただし、同じ本の同じ問題で宜しいので、解き方が頭に浸み込むまで、くれぐれも反復トレーニングですよ!

ここでは、総合適性検査として最も代表的で、圧倒的シェアを持つSPIに焦点を当てて就活試験対策の考え方を説明して来ました。あなたが志望している企業がどの試験をどのような方式で実施しているのか調査の上、他の「玉手箱・C-GAB(日本SHL社)」、「TG-WEB(ヒューマネージ社)」などの問題に、適宜、対応していただきたいと思います。⇒参考になるサイト:キャリアアカデミー

まとめ

行動力のあるあなたなら、きっとメキメキ上達して見事に就活に成功するのではないでしょうか。ご成功を祈ります。

補足

「非言語=数学」系の問題と言っても、正解は1つですから、どれも時間をかければ正解に到達できる類の問題ですね。こうした問題を難なく解いてしまう人というのは、恐らく頭の良い人です。

しかし、実社会に入ってから確実に必要となる“実務のための”「ロジカルシンキング」を駆使して取組む実務課題の答えは1つとは限らず、実際はいくつもあり得るのだということを、あなたも頭の片隅に入れておいていただきたいと思います。

そういう意味では、このような検査によって、本当の意味でビジネスにおいて有能な人材を選抜できているのか、疑問も残ります。性格検査まで含む総合適性検査での人材選抜であることは承知していますが、今後の日本社会のためにも実証データなどを確認してみたいものです。

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