問題解決に役立つロジカルシンキング(論理思考)を基礎から学ぶ。

論理思考テキスト講座

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論理思考とは

論理思考は次のように定義されています。

論理思考(ロジカル・シンキング)とは

  1. 事実や誰もが認める事柄(根拠)に基づいて、
  2. 結論に至る展開の筋道につながりを持ち、
  3. 目的に合った明確な結論を導出するための

思考である。

ロジカルシンキング(論理思考)を独学で学びたい人のために

ここからは、論理思考を学びたいが研修を受講する機会に恵まれないという人のために、独学で学ぶことができるよう、論理思考の要点についてテキストで解説して行きます。可能な限りわかり易くお伝えしたいと考えていますので、ご活用いただければ幸いです。

なお、わかり易く丁寧に解説するほど文章が長くなってしまいますので、この講座の”語調”には「~です.~ます.」調ではなく、「~である.~だ.」調を使用して記述しています。そのため、どうしても、”さも偉そうに”説明しているように感じられる場合があるかと思いますが、筆者にそのような意図は全くありませんので、どうかご理解いただきますようお願い申し上げます。

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論理思考の基礎から応用まで:はじめに

はじめに

ここから始まる解説に当たっては,「本を読んだがロジカル・シンキングを実務でどう活用したら良いかわからない」という状況を改善したいという思いから,次の3つの点に注力したつもりである.

まず第1に,ロジカル・シンキングを日常の様々な実務問題解決に活用していただくことができるように基礎と応用との間を橋渡しすることにエネルギーを注ぐ.自信と活用につなげるためには基礎となる事柄と応用とのつながりに関する理解が欠かせない.じっくり噛み砕いて読み込むことによって,骨格となる事柄が身体に浸み込むように可能な限り丁寧に記述しているので,「エッセンスだけが安直にわかる」ことを求める読者向きではないかもしれない.ロジカル・シンキング(論理思考)を論理学の初歩から始め,基礎に重点を置き,抽象度の高い概念をわかりやすくお伝えすることに留意する.その上で抽象的概念と具体的事物とをスムーズに結合させられるように,「問題解決のステップ」と関連付けた実践場面でどのように活用するかについて,多くの身近な例題を通じて学ぶことができるように意図した.

第2に留意した点は,ロジカル・シンキングの基盤的な観点である「目的達成志向」に関することである.昨今の一見とっつき易いロジカル・シンキングや問題解決の本をさらっと読んで論理思考のノウハウを理解したつもりになっても,「目的を達成しようとする意識」を持って問題解決に取組まない限り,有意義な結論に到達するのは容易なことではない.経験豊富な人が容易に問題を解決することができるのは,当り前のように暗黙的に「目的達成志向」で取組めているということもその理由の1つである.そこで,「目的達成志向」の重要性について具体的な場面での説明を通じて随所でその感触が掴めるようにしたいと考えた.

第3はロジカル・シンキングを繰返し活用すること,つまりトレーニングに関することである.ロジカル・シンキングを身につけるためには読者の皆さんが自分の直面する問題に対して自分の頭を駆使して繰返し取組むことが必須条件である.普通は苦労して何度も考え直すという過程を経て,ようやく納得できる状態に近づくものであり,決して十分ではないかもしれないが,例題に取組んでいただきながらフォローすることができるように解説したつもりである.

ロジカル・シンキング(論理思考)は普遍性の高い思考法であり,業種や職種・職務分野に関わりなく活用可能な思考法である.説明内容や例題に関しては専門分野に偏り過ぎない範囲で,主として企画・技術系の幅広い読者層を想定しているが,高等教育を受けている人であれば誰にも理解できる程度の平易な内容を想定している.

解説の構成は次の通りである.

第1章 ロジカル・シンキングの基礎を学ぼう
第2章 問題解決の主役はロジカル・シンキングである
第3章 論理ピラミッドを構築して活用する
第4章 論理ツリーに展開して活用する
第5章 因果関係の解明に活用する

「第1章 ロジカル・シンキングの基礎を学ぼう」では,論理思考の基礎となる論理学の初歩的な事柄を学びながら,論理学と論理思考の違いを認識し,論理思考の基本に関する理解へつなげて行く.論理学を正しく理解するほど,それを論理思考に活用しようとするときに,ちょうど「理想と現実」の関係に似たようなギャップを感じるようになるものである.そこで,本章では「目的達成志向」という論理思考の基盤的観点から,そのギャップを埋めるための解説を加える.

「第2章 問題解決の主役はロジカル・シンキングである」では,まず,問題というものを広義に捉え,私達が日常的に取組んでいる仕事の殆どが問題解決であることを理解する.次に問題解決プロセス全体の紹介を通して,論理思考の役割について学ぶ.ここではすべての問題解決に対し,共通の「ロジカル・シンキング(論理思考)」という普遍的な考え方をベースとして,問題の本質を把握し,目的を達成すべく取組むことの重要性を認識する.同時に,問題解決の各プロセスにおいて論理思考を活用する場面をイメージしながら,その要点を理解して行く.

第3章から第5章までは問題解決に向けた「論理思考の応用」に相当する.論理思考の実務における応用には「論理構築」,「論理展開」,「因果関係解明」の3つの分野があり,それぞれに対応して「論理ピラミッド」,「ロジックツリー」,「因果関係図」というロジカル・シンキングの基本的な道具立てについて順に学ぶ.各章では「問題のタイプと問題解決ステップ」に対応させて,それらの使い方を理解し,「どのような場面で,どの道具を使ったら良いのかがわかる」ように留意する.

「第3章 論理ピラミッドを構築して活用する」では,根拠に基づいて論理構築し,説得力のある結論を導く基本的な方法として「論理ピラミッド」の構築,およびその活用例としてプレゼンテーション・シートの作成,議論,報告書・論文作成,30秒ステートメント,基本戦略方向の策定等について学ぶ.

「第4章 論理ツリーに展開して活用する」では,課題など目的とする事柄を達成するためにどのようなことがポイントになるのかといったことを明らかにする基本的な方法として,「ロジックツリー」の作成およびその活用について学ぶ.「ロジックツリー」の活用においては,ある種の問題における本質的原因の発見,課題解決策・戦略案創出のための枠組み設定,要素への分解などについて具体的に学ぶ.更に,「ロジックツリー」を思考の枠組みとして活用することによって,アイディア創出や対人的課題解決への支援をも担うフレームワーク思考の応用について詳しく触れる.

「第5章 因果関係の解明に活用する」では,広義に捉えた因果の関係によって生じているような問題状況を解明するための基本的な方法として,「因果関係図」の作成と因果関係解明のポイントについて学ぶ.具体的ないくつかの問題状況例を取上げて,「因果関係図」を作成して本質的原因の発見方法について理解する.本章では,第3章から第5章にて学んだ「論理ピラミッド」,「ロジックツリー」,「因果関係図」という論理思考の3つの基本的な道具立てをmixさせて活用すること,2種類の道具を別々に活用して同じ結果を得るといったことについても確認する.

論理思考の応用分野としてはこの他に「ディベート論証」といった分野があるが,実務の世界で活用するケースが必ずしも多くはないので割愛した.

なお,ここでは「論理思考」と「ロジカル・シンキング」を全く同一の意味で使用する.いずれかの用語に統一せずに使用する理由は,どちらの用語に対しても不自然に感じないようにしたいという思いからである.世の中では他に「論理的思考」,「クリティカル・シンキング」などという言葉も使われているが,「ロジカル・シンキング(論理思考)」と同じ意味と捉えて差し支えない.

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