論理ツリーへの展開

ロジックツリーを作成し「論理展開」によって最上位目的に合った具体的な結論を導く方法について学びます。⇒第4章の目次

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第4章 論理ツリーに展開して活用する

本章では論理的思考の基本的な活用方法の2つ目,「論理展開への応用」,すなわち「論理展開」によって最上位命題の目的に合った結論を導く方法について学ぶ.「論理展開」の基本スタイルは,ちょうど,「問題解決プロセス」のところで登場した,第2番目の原因のある問題「発生型の問題」における本質的原因発見の方法に対応している.

論理的思考の応用分野の半分近くは本章で学ぶ「論理展開」であり,「発生型の問題」における本質的原因の発見にとどまらず,課題形成後のすべての課題を対象として,課題解決策・代替案の抽出,課題の分解,対象物の要素への展開など応用範囲が大変広い.

なお,本章の前半部分では「発生型の問題」の本質的原因の発見に焦点を当てて,現場で生じた問題や経営問題等の改善活動を進めて行く「なぜなぜ分析」という手法における論理的基盤を提供している.第3章では「論理ピラミッドを構築して活用する」と表現したように,どちらかと言えば論理ピラミッドを使って構築物を築き上げるという方向で論理的思考を応用した.

しかし,今度は「論理ツリーに展開して活用する」と表現しているように,どちらかと言えば塊りを分解し,具体的にはロジックツリー(論理ツリーとも言う)というものを使って論理展開するという方向で論理的思考を応用することになる.

ロジックツリーを用いて作成した枠組みをフレームワークとも呼ぶが,ロジックツリーというのは見方を変えると思考の枠組みと見ることも可能である.論理的思考の活用においてフレームワークは思考の枠組みという観点から新たな可能性を見出すための創造思考を支援し,新しい考え方の発見を促す役割を担うものであり,非常に重要な分野となっている.本章の後半ではフレームワークの活用に関していくつかの大事なことを学ぶ.